多摩市内で3月10日、東京電力福島第一原子力発電所事故の発生から11日で2年を迎えるのを前に、「3.11フクシマを忘れない 原発のない未来を アクション in TAMA 2013」が開催され、250人(主催者発表)の参加者らが脱原発を訴えた。【文と写真・木内慧】
イベントの開催は昨年に続いて2回目。前回は多摩センター駅周辺での開催だったが、今年は多摩センター、永山、聖蹟桜ヶ丘での集会と、永山から桜ヶ丘までのデモ行進が行われた。
実行委員長の山口渉さん(左写真)は「今日は脱原発と被災地を忘れないことを目的にたくさんの個人が集まった。震災から2年の間、多摩の街からも様々な動きがはじまり、良い変化が生まれてきている。自然エネルギーを普及させ原発に頼らない電力供給の仕組みをつくる取り組みが進み、市民放射能測定室もできた。地域では様々な取り組みが行われているのに、政府が原発の再稼働と新設を検討し、原発依存から脱却しようとしないことは疑問に感じる」などと挨拶した。
歌手の大熊啓さん(右写真)は、『サマータイムブルース』や、NHKの復興支援ソング『花は咲く』、猪苗代湖ズの『I love you & I need you ふくしま」』などを歌い、イベントを盛り上げた。
また、会場では阿部裕行多摩市長からの「私達は電力の恩恵を受けていた都市住民として、二度とこのような悲劇を繰り返さない為にも私達の生活そのものを変えていかなくてはいけない。多摩市は原子力に変わる人と環境に優しいエネルギーを推進することを宣言した『非核平和都市宣言』を持つ街だ。核のゴミに悩まされることのない未来をつくりあげよう」というメッセージや、福島県から多摩市に避難し、市内で詩の朗読などの活動を続けている星ひかりさんのメッセージが紹介された。
デモは永山北公園から九頭竜公園までのコースで行われ、シンボルカラーの黄色を身に付けた参加者たちが「原発なくても電気は足りる」「こどもを守れ」などと声を上げながら行進した。小さな子供から年配者まで幅広い年齢層が参加し、沿道からも手を振ったり声援を送る人も見られた。参加した女性は「昨年は多摩センター周辺のみでの意思表示だったが、今回は多摩市内を横断的にアピールすることができてよかった。これからも脱原発運動に関わっていきたい」と話していた。