とちのき公園の目玉だった、あの城壁のような遊具。かつては子どもたちが駆け上がり、秘密基地にしたり、見張り台にしたりして遊んでいた。
でも、気づけば少しずつ小さくなっていった。高かった塔は低くなり、大木を囲んでいた柵も消え、最後にはもう、何もなくなってしまった。
遊具はなくなってしまったけれど、あそこで遊んだ時間はきっと消えない。公園のどこかを歩くたびに、「ここで鬼ごっこしたな」「あの時、あそこで笑ったな」なんて、ふと思い出すことがあるかもしれない。そんなふうに、公園はこれからも、誰かの記憶のなかで生き続けるのかもしれない。
ダイナミックな遊具だった頃