「豊ヶ丘第4公園」として誕生した公園は住民のアイデアと力を取り入れて「とちのき公園」にバージョンアップした特別な公園です。この公園は、ベンチや芝生、植栽といった基本的な設備を備えつつ、ハーフメイド方式を採用して、住民と共に作り上げられました。
公園のデザインや設備は、アンケートやイベントを通じて、住民の意見を集めながら進められました。住民が積極的に参加し、自分たちの「ほしい公園」を一緒に作り上げたのです。
この公園は、住民参加のもとに、二段階方式(ハーフメイド方式)の整備を行ったものです。広さ役11,000平方メートルの敷地に、昭和58年から園路・広場・周囲の植栽などの整備を行い、翌年に一部完成の状態で地域に開放しました。その後、周辺の入居が一段落した昭和62年より、地域の方々からなる「公園づくり実行委員会」がつくられ、二段階目の整備がスタートしました。そして二ヶ年にわたり、実行委員会、多摩市、住宅・都市整備公団によって、アンケート調査やイベントを行い、地域の皆さんの意見を聞きながら、森の砦・桜並木・トビアリー(樹木を刈り込んでつくった造形物)などを配置したプランがまとまりました。このプランに基づき、整備工事を行い、平成元年4月にオープンしました。なお、オープンに際して、新しい公園名が検討され、昔この付近のトチノキがあったところから呼ばれていた地名をとり、この公園を「とちのき公園」と名づけました。 (公園看板から)
あなたも公園設計者! 豊ヶ丘第四公園
あなたならどんな公園にしますか。この誌面に、夢の公園を描いてください。
市内には百二十を超える公園がありますが、豊ヶ丘第四公園は、住民参加による公園づくりが進められているユニークなものです。
この公園は昭和五十七年に二段階整備方式で完成させる構想がまとめられ、翌年、第一段階の展開、つまり、ベンチ、トイレ、周囲の植栽などが整えられました。
そして五十九年から地域に開放されました。
市では第二段階として、実際にこの公園を利用する住民のアイディアや意見を取り入れて設計をまとめるために、地元の自治会や管理組合に公園づくり実行委員会の組織を呼びかけました。
今年の二月には第一回の会合が開かれ、市の担当者と住民の間で率直な意見交換が行われ、実行委員会結成へ向けて第一歩が踏み出されました。
実行委員会を中心に、子供からお年寄りまで広く意見やアイディアを採り入れてつくろうという、豊ヶ丘第四公園。きっと楽しい公園になるでしょう。
(いきいきTAMA第5号 1987年)
2022年のとちのき公園
・規模:1.1ha
事業期間:昭和58年〜63年
工事費:89百万円
造園設計:株式会社カーター・アート環境計画・2段階施工(ハーフメード方式)の採用。住民参加型公園整備。
・1段階目整備(58年、造成、園路、排水、広場、植栽、最小限の遊具)
・2段階目整備(63年、木製遊具、桜並木、トピアリー、花壇、シンボルツリー)主要施設
芝生広場、自由広場、大型木製遊具(森の砦、シンボルツリー)、ターザン、桜並木、トピアリー、花壇工事名:8-2児童公園工事
工期:58.4〜58.11
工事費:49,250千円
施工:ダイヤモンド造園技研株式会社
設計:株式会社カーター・アート環境計画工事名:豊ヶ丘第四公園整備工事
工期:63.12〜H1.3
工事費:39,300千円
施工:伊藤忠林業株式会社
設計:株式会社カーター・アート環境計画
(多摩ニュータウン工事記録 1965~1990から)