最優秀新進男優賞には、菅田将暉(すだまさき)さん、太賀(たいが)さんの2人が選ばれた。ともに1993年生まれと若いが、対象期間(2013年10月〜2014年9月)に出演作が菅田さん4本、太賀さん6本とすでに“売れっ子”状態。『男子高校生の日常』(松居大悟監督)では共演も果たしている。
太賀さんは今回の受賞について、「以前は周りの期待をあまり信じていなかったし、自分自身のことも信じていなかった。でも、受賞が決まって自分のことのように心から喜んでくれる仲間がいて、自分は馬鹿だったなと気づかされた。この壇上にいられるのも、『ほとりの朔子』のスタッフ、キャスト、日頃支えてくれる人たちのおかげで、本当に感謝している。これから少しずつ返していきたいし、今はようやく、少しだけ自分のことを信じられます」と率直な気持ちを明かした。
二階堂ふみさんと共演した『ほとりの朔子』の現場については、「(演じる上での)難しさはあまりなかった。二階堂さんがそこにいてくれたから、僕もいるだけでいろんなものを引き出してもらえた。深田(晃司)監督も穏やかな雰囲気で、陽だまりのような優しい人だった」と振り返った。
今後の抱負を聞かれた太賀さんは、「自分は映画を通して(賞をいただいた)責任をとっていかなければと思う。一つでも多く、人の心を動かせるような作品を作りたいし、いつかは本物の役者になりたい。誰かにとって本物でありたい。精進します」と、自らに言い聞かせるように語った。
続いて登壇した菅田将暉さんは、「あまり賞をもらう経験がないので、こんなところに出させてもらえて本当に嬉しいです」と切り出しつつ(実際は2013年に主演した『共喰い』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している)、プライベートでも仲がいいという「太賀みたいな人が受賞されるべきだなあとずっと思っていたので、今日は太賀が受賞して本当に嬉しい」と話すと、会場から大きな拍手が上がった。
『そこのみにて光輝く』については、「綾野剛君は(役柄と同じで)現場でも兄貴分的な存在で、良いことから悪いことまで教えてくれた。(殴られるシーンでは)剛君いわく『頭を叩いても脳の揺れない殴り方がある』そうで、僕も『うん?』ってなったけど、実際に殴られたら次の日クラックラでしたよ」と舞台裏のエピソードを明かし、観客の爆笑を誘った。
最後に菅田さんは「過去の作品をいいライバルとして、いろいろ楽しんで演じていけたらと思います」と今後の抱負を語っていた。
第23回映画祭TAMA CINEMA FORUM
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