多摩市役所庁舎(関戸6-12-1)で今月、植物により夏の強い日差しを和らげる「緑のカーテン」を設置する実験的な取り組みが始まった。市職員もボランティアで設置作業や水やりに協力している。
建物の窓の外側に棚(ネット)を張り、そこにつる性植物を育ててはわせることで、盛夏の日光を反射・吸収させる「緑のカーテン」。屋内の温度を下げるとともに、外壁温度を下げることによりヒートアイランド現象を緩和する効果がある。
多摩市都市環境部・環境政策担当課長の安達仁氏によると、市では省エネ・環境教育の取り組みとして緑のカーテン事業を市内公立学校で進めているという。学校側も生徒と一生懸命取り組んでくれているが、安達課長は、「仕事」として省エネや環境保護を呼びかけたり支援するだけでなく、「自らボランティアで行動する姿勢を示すことに意義があると考えました」と説明する。
設置作業を行ったのは、6月5日土曜日。市内事業者の「多摩市建設協力会・緑進会」と市職員ボランティアが協働し、「麻ひも」「キュウリネット」「唐竹」「ワイヤーメッシュ」という4種類の棚を設置。それぞれにアサガオ、オカワカメ、ヘチマ、ゴーヤの苗を植えた。「植物の特徴に合わせて棚を用意したのですが、棚の設置コストに対する植物の育てやすさや省エネ効果という、費用効果を比較する意味もあります」と安達課長。この実験で得られるデータや知見を、小中学校へ緑のカーテンを導入する際に活かせれば、と期待する。
市庁舎の緑のカーテンは、正面玄関を背にすると左前方にすぐ見える。これから夏にかけて勢いよく伸びていくであろう緑のカーテンは、市役所を訪れる市民の目も楽しませてくれそうだ。日々の勤務を終えてから植物に水をやっているという安達課長は、「自分たちで育てた野菜を、2カ月後ぐらいに収穫するのが今から楽しみです」と笑顔で語った。(高森郁哉)
緑のカーテン 実験中 (多摩市ホームページ)