多摩電力合同会社(たまでん)と一般社団法人多摩循環型エネルギー協会(多摩エネ協)は7月6日、恵泉女学園大学の南野校舎で第1号市民発電所の発電開始を記念する式典を合同で開催した。多摩市民が中心になって設立したたまでんが、関係者から疑似私募債で調達した900万円で、校舎屋上に定格出力30kWの太陽光発電パネルを設置。発電した電気は、昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用して全量を東京電力に売電する。
式典では、配電盤の切り替えスイッチを一時的にコンセント出力に切り替えると、たまでんの山川陽一代表社員(写真右端)が携えるライトが点灯。多摩市の阿部裕行市長(同左から2人目)、恵泉女学園大学の川島堅二学長(同3人目)、多摩エネ協の高森郁哉事務局長(同4人目)がテープカットを行った。
川島学長は「多摩市の素晴らしい市民力によって市民発電所が実現した。同学の屋上をお貸しすることで地域貢献ができて嬉しく思う」とあいさつ。阿部市長も祝辞の中で、「市民主導で再生可能エネルギーの事業化が前進した。一昨年の非核平和都市宣言で原発に依存しない社会を目指すと宣言した多摩市としても、こうした取り組みを一緒に進めていきたい」と述べた。
山川代表は「数十kWの発電施設をこつこつと積み上げ、今年度の目標は合計で1000kW。第2号発電所として、『ゆいま〜る聖ヶ丘』(多摩市聖ヶ丘)での設置計画を本日発表します」と述べ、株式会社コミュニティネットの広報を担当する渥美京子氏(右写真)を紹介。渥美氏は高橋英與代表取締役社長のメッセージを代読し、同社が運営する住宅型有料老人ホームのゆいま〜る聖ヶ丘の施設屋上をたまでんに貸与し、太陽光パネルを設置する契約を結んだことを発表した。同施設での市民発電所は、今春一般から出資を募集開始した市民ファンド「たまでん債」の適用第1号となり、3棟に合計約70kWのパネルを設置し、今秋からの発電開始を見込んでいる。(写真撮影:早川一樹)