元NHK記者で現在はフリージャーナリストの小林和男氏(川崎市麻生区在住)が3月12日、災害取材を担当した元同僚から得た阪神大地震の教訓を含む「地震の心得」を、主に電子メールを通じて発信した。地震に備えて用意しておくべきもの、地震に直面したときの行動などを簡潔にまとめた内容で、今回当サイト(たまプレ!)では、東北地方太平洋沖地震の後も余震が続く現在の情勢で非常に有用なものであり、広く伝える価値があると考え、小林氏に許可を得て以下に転載させていただくことにした。(なお、メール原文の記述から項目の順序や表現等を一部変更し、小見出しも追加している。)
【地震前の備え・知識】
- 手元にあると望ましいもの:お金、ペットボトルの水、お菓子、ペンライト、携帯電話と充電器、ラジオ、応急セット、ハンカチ、ティッシュ
- トイレは基本的に利用できなくなるのでビニール袋を用意しておく
- ナプキン(生理用品)はいい止血帯になる
- 食料は最低3日間の自立に備えるのが望ましい
- 災害用伝言(安否確認)電話は171番
【地震の発生時(比較的軽微な場合)】
- 地震が起こったら、必ず窓を開ける
- 家にいる人は、断水に備えてお風呂に水をためる
- 自宅で電気が通じる場合は、ご飯を炊いておく
【避難中の行動】
- 自分がパニックになったら周りもパニックになるので、しゃがんで「落ち着いて!」と叫ぶ
- ハイヒールを履いている人はヒールを折る
- 火事などの二次災害に注意
- ストッキングを履いている女性はできるだけ脱ぐ。火傷したら広がるため
- X字の亀裂が入っている建物等はすぐに崩壊するから注意
【地震遭遇場所に応じた心得】
屋内の場合
●家の中
- テーブルの下にもぐる(無理なら座ぶとんなどで頭を守る)
- ガラス片が危険なため、素足で歩かない
- 火の始末はすみやかに
●デパート・スーパー
- ・バッグなどで頭を保護
- ショーウインドウや売り場から離れ、壁際に
- 係員の指示に従う
●ビル・オフィス
- 机や作業台の下にもぐる
- ロッカーなど大型備品の転倒、OA機器の落下に注意
●集合住宅
- ドアや窓を開けて、避難口を確保
- エレベーターは絶対使用しない。避難は階段で
屋外の場合
●路上
- かばんなどで頭を保護し、空き地や公園などに避難
- ガラスや看板などの落下に注意
- 建物、ブロック塀、自動販売機などには近寄らない
●車を運転中
- ハンドルをしっかり握り徐々にスピードを落す
- 道路の左側に車を寄せ、エンジンを切る
- 避難するときは、キーをつけたままに
- 車検証や貴重品は携帯する
(以上)
編集部後記:このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。なお今回の記事の元になったメールは、NPO多摩サロンの橋本孜氏から転送していただきました。小林氏と橋本氏に感謝します。(高森郁哉)