株式会社電匠は1月30日、八王子市新町の自社オフィスのスペースでオーディオ試聴と朗読を組み合わせた無料イベント「音えあ」(オンエア)を開催した。「八王子初の“聴く”休憩室」を謳っており、月に1回のペースで継続する予定だ。
同社は車から取り外したカーオーディオを室内で使えるようにする電源付きケース「LE801」を製造販売しており、このプロモーションを兼ねた約1時間のイベント。前半では、LE801を使ってベートーベン「バイオリンソナタ第5番 スプリングソナタ」のCDが再生され、来場者らは艶やかな弦の音色と優美なピアノの響きに浸っていた。
後半では、多摩地域を中心に朗読を取り入れたライブ、定例会、イベント等を企画運営する中村劇場の代表を務める中村章江さんが、川端康成の「紅梅」と、夏目漱石の「夢十夜」から「第一夜」を情感たっぷりに読み聞かせた。
八王子在住の中村さんは、かつて音響機器メーカーのティアック(本社多摩市)で広報を担当していた経験を活かし、2月に株式会社化する中村劇場の事業として「広報までなかなか手が回らない中小企業をサポートできれば」と話す。昨年12月に都心で行われたセミナーで電匠の安斎秀一代表取締役とたまたま隣り合わせた縁で、今回の企画が実現した。
電匠のLE801は、車の買い換えの際などに取り外されたまま使われていないカーオーディオが多いことから、スピーカー接続端子を備えた専用ケースがあれば家庭内で「再利用」できるのでは、というコンセプトで生まれた製品。安斎代表は、「『音えあ』の開催を案内してから問い合わせも多い。イベントで来場者に体感していただき、反応をうかがえるのも貴重」と手応えを感じた様子。中村さんも「選曲と朗読作品、それに私の着物も、季節感を出して企画し、いらっしゃるお客様に耳と目で楽しんでいただける場に育てていきたい」と意気込みを語っていた。
「音えあ」は2015年春季、2月26日(木)、3月27日(金)の2回を予定している。時間はいずれも午後5時30分から。
※2月16日追記
電匠は第1回開催の反響が大きかったことから、「2月26日より運営時間を拡張し、カセットテープやMDなどのメディアに録音した音源を自由に再生・試聴いただけるスペースとしても利用範囲を拡大します」と発表した。「音えあ」イベント開催日以外でも、希望者から前日までに電話(042-649-3988)で予約を受け付けて、午後5時〜午後5時30分の30分間スペースを利用してもらうという。平日のほか、土日祝日も要望があれば検討するとのこと。CD、カセット、MDの持ち込みや、USB、Bluetooth経由で接続するデバイスにも対応する。
株式会社電匠
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