多摩ニュータウン学会は11月7日午後、ベネッセコーポレーション東京本部(落合1-34)の大会議場にて、「4市長が語る多摩ニュータウンの将来」と題したシンポジウムを開催した。多摩、八王子、稲城、町田の4市長が登壇し、新住宅都市開発法に基づく多摩ニュータウン開発事業が終了して5年目を迎えた現状をどうとらえるか、NPOをはじめとする市民活動と行政などがニュータウン地域で連携する意義や手法をどう考えるか、さらにニュータウンの将来に向けて4市の連携はどう具体化できるか、という問題提起に回答する形でそれぞれ発言した。
ニュータウン開発が最も早く、ニュータウン区域面積・人口ともに市全体の60%台を占める多摩市の阿部裕行市長は、首都大学東京の星旦二教授が多摩市などと共同で行った健康長寿に関する調査結果に触れ、「多摩市は介護を必要としない健康なシルバー世代が多い」と紹介。また計画的に開発された結果、公園が多く緑が豊かであるとし、「『多摩ニュータウン』は確立されたブランド。日本全国、さらには世界に向けて長所をアピールしていきたい」と語った。
八王子市の黒須隆一市長は、「まずは市民のふるさと意識を高め、“愛市精神”を育てることが必要」と指摘しながらも、公共施設の運営や利用などで4市が連携する道も検討していきたいと発言。
ニュータウン開発が比較的遅く始まった稲城市の石川良一市長は、「先行する多摩市の事例に学びながら、30年ほどの長い時間をかけたまちづくりを行っている」と説明。また、市民活動を促進するため、「市民活動ポイント制度」の導入も検討していると述べた。
町田市の石阪丈一市長は、4市連携の具体案として、「ニュータウン地域の端から端まで、たすきでつなぐ駅伝」というアイデアを披露。同地域を対外的にPRできるイベントになるのではないか、と期待を膨らませた。