ベルブ永山――そう、それはまるで未来から飛んできたかのような、永山駅からグリナードを上がった先に聳え立つ美しい建物。
何と言っても、永山にはベルブがある。あの多摩センターにあるパルテノンが、その地域の象徴なら、ここ永山には美しいベルブが佇んでいる。特にイルミネーションの時期になれば、イルミナードと連携して、夜の永山を幻想的に彩り出す。
「ベルブ」――フランス語で美しいという意味の「ベル」と、ラテン語の都市や街の意味の「ウルブ」を組み合わせた言葉。それはまさに、21世紀に向かって進む中で、自然と人と心の美しい都市の拠点となるべく生まれたものだ。
グリナード永山と永山北公園の間に広がるこの場所は、交流の広場として誕生。地下を省き、階数を低くしSRC造→RC造など、コストダウンにも成功し、建設費は34.2億円から23.4億円へと削減された。
そして、平成9年4月1日。この美しい建物、ベルブ永山は、開館の時を迎えた。その扉は開かれ、永山の人々はその美しさに心躍らせたことだろう。
設計趣旨
①永山の街づくり
主歩専道の強化と魅力付け 西側市道沿いの活性化
グリナード永山将来像への対応 シンボリックな永山のゲート②交流空間の設定
グリナード広場と永山北公園の中間広場 建物内外の動線空間
(ev.エスカレーター、スロープ)
建物内諸施設への導入空間 屋外のぶらっと;プラザ③環境への配慮(光・緑・水)
グリナード広場の日照確保
屋上緑化(公園のみどりの駅前地区への滲みだし)建築基壇(確認しろ)1F
壁面緑化し対面する緑の対応 雨水主体の中水利用(洗浄水と植栽灌水)
(ベルブ永山事業の記録)
3つのデザインキーワード
施設自体が市民の心象風景を作り上げ、そこに永山らしさの発見を生んでいく契機になるべく
門:主張性
路:日常性
広場:中心性
(ベルブ永山事業の記録)
コンセプト
地域(拠点施設機能)
暮らし(高次元サービス機能)
広場交流機能
楽しさの拠点作り
生活文化拠点作り
→永山らしさを創出
(ベルブ永山事業の記録)
モニュメント:FLY-1996
モニュメントの選定
アートコンサルタントを通じて何人かの彫刻家を対象にコンペを行い
エントリー作品に対して作品の当施設に対しての適正を
ハード面ソフト面から検討し結果をオーナー側に報告
オーナー側の協議により内田晴之氏に決定
工事終盤に中庭にモニュメント設置をオーナーから要望
(ベルブ永山事業の記録)
1991年07月16日 基本構想着手
1992年12月17日 第1回市民懇談会
1993年03月13日 多摩市民の意見を伺う会
1994年02月28日 基本設計(坂倉)
1995年03月16日 建築工事発注(清水・竹中JV)
1997年02月01日 業務施設一部入店開始
1997年03月17日 永山駅間郵便局オープン
1997年03月30日 ベルブ永山グランドオープン
(ベルブ永山事業の記録)
永山公民館は地域の皆さんが「つどう」「まなぶ」「つながる」施設です。
多摩市で2番目の公民館として、永山駅前周辺の活気と魅力あるまちづくりを推進する役割を果たしてきました。(ベルブ永山HP)
多摩ニュータウン建設の初期に開発された永山地区の住民に対する生活支援と、交流拠点施設として永山駅前に計画され、図書館、公民館、消費者センターおよび談話コーナーなどから成る複合施設。駅からのゲートの役目も果たしている。(坂倉建築研究所HP)