永山駅の南西(永山2丁目)に多摩ニュータウン開発前からある雑木林の一部が残り、「さえずりの森」という愛称とともに近隣住民に親しまれている。正式には「永山駅前緑地」という名称を持つこの一角は、2007年に多摩市と協定を結んだ「永山駅前雑木林保全育成の会」の活動により保全されてきた。
同会で活動する「さえずりの森世話人」の江川美穂子さんは、この雑木林について、元々は「UR(都市再生機構)の所有となっていましたが、開発の話が持ち上がり、市民が“丸ごと保全”を求めて署名活動を行い、2006年に市が買い取ったという経緯があります」と説明する。その後の整備を経て、2009年10月末に一部が一般に開放されたという。
保全育成の会は、毎月2回の保全作業を中心に、観察会、メールとファクシミリによる「さえずりの森通信」の配信、ブログでの活動紹介などを行っている。入会時のみ1口1000円の会費を支払うが、さえずりの森を大切に思う人なら誰でも会員になれるとのこと。
次の保全作業は5月15日(土)の午前9時30分〜12時に予定している。今月配信した通信では、「この日は、恵泉女学園大学のゼミの学生さんたちの見学もあり、世話人によるさえずりの森の案内を行いますので、市民の方もよかったらご一緒にどうぞ」と呼びかけた。
「四季折々の豊かな表情を見せる雑木林のある豊かさ、ホッとする駅前の風景は“多摩市民の宝”です」と語る江川さん。普段永山駅を利用しているが「さえずりの森」は知らなかったという人にとっても、15日の保全活動は雑木林に親しめるよい機会になりそうだ。
さえずりの森を開放しました(多摩市)