多摩市のまちづくりにおける市民参加を推進する団体「多摩市まちづくり研究会」(略称・多摩市まち研、代表幹事・小荒井順氏)は6月26日、ベルブ永山の消費生活センター講座室で無料の学習会を開催した。講師として招かれた阿部裕行市長は、所信表明演説や「たま広報」を通じて掲げた「主役は私たち一人ひとり 市民主権のポジティブ多摩へ!」というメッセージについて語り、多摩市初の民間出身市長として市民感覚を生かした市政運営に取り組む意欲を示したほか、個々の市民に当事者意識を持ってまちづくりに参加してほしいと呼びかけた。
阿部市長は、「(市職員出身の)渡辺前市長の市政で大きく欠けていたものがあるとすれば、自治体改革、行政改革だったと思う」と指摘。対話を通じて職員の意識・意欲を高めながら、3〜4年かけてじっくり改革に取り組みたいと述べた。また、6月議会でも議員からたびたび説明を求められたという「地域委員会」構想について会場から出た質問には、「屋上屋を架す」ようなものではなく、二元代表制を補完するような地域にフォーカスした問題を解決する仕組みを作りたい、「声なき声」を拾い上げて問題意識を共有し、たとえば独居老人への住民によるサポートなど、住民主導の取り組みにある程度の税を使えるようなものが望ましいと説明した。
次の公務のため阿部市長が退席したあと、参加者たちが市長の話に対する意見や、各自の地元や職場に関する問題などを語り合った。一市民として参加したという市議会議員や市職員も含むさまざまな立場や世代の住民たちが、地域委員会の中身をどんなものにしたいか、「声なき声」をどうやって拾い共有していくかといった課題や、待機児童や住民モラルの問題、コミュニティーセンター運営のあり方などについて、率直に意見を交換する有意義な時間となった。(高森郁哉)
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市長所信表明(多摩市サイト内。6月25日にTAッComTVが提供する所信表明動画ページへのリンクが掲載された)