
聖ヶ丘緑地に足を踏み入れると、日常の地図がふいに書き換えられる。
そこにあるのは、整えられた公園というより、自然と時間が勝手に折り重なってできた異空間である。
やけに広い空地のあちこちに、遊具がぽつり、ぽつりと点在し、その間には余白がたっぷりと横たわっている。
その余白こそが、この場所の正体だ。
奥へ進むと、幅広の滑り台がひそやかに姿を現す。
まるで長い探索の末に辿り着いた隠れ里の入口のようで、見つけた瞬間、なぜか少し誇らしい。
滑り台の周囲には木々が寄り添い、外界の音をやわらかく遮断してくれる。
休憩用のベンチやテーブルセットも妙に充実しており、腰を下ろすと時間が伸びる。
ここが多摩センターであることを、一瞬忘れそうになる。
聖ヶ丘緑地は、目的を持たずに訪れるための場所だ。
迷い込み、立ち止まり、気づけば心だけが少し遠くへ行っている。
そんな不思議な散歩が、ここでは自然に成立してしまう。
















