多摩市総合福祉センターで2月27日、「多摩地域企業情報交換の集い」が開催された。多摩市社会福祉協議会(多摩社協)が主催し、今回で3回目となる集まり。企業の社会貢献や社員のボランティア活動支援で行われている取り組み、大学による地域貢献の取り組み、受け入れ施設として社員ボランティアに期待することについての事例報告が行われ、30名の参加者らが交流する場も持たれた。[取材と文・川崎正樹、編集・高森郁哉]
多摩信用金庫は「お客さまの幸せづくり」を企業理念に、活動を通じて地域に貢献している。職員研修カリキュラムにはボランティア体験研修(新入社員)、必修ボランティア研修(入社2年目から5年目)が組まれており、入社6年目以降の全職員については任意となるものの、ボランティア休暇(平日)の名称で3日間の年次有給休暇が付与されている。今後の展望としては、平成26年度に受け入れ協力先を14団体から18団体へと増やし、「この仕組みを企業にも提供することにより、地域活動に参加するきっかけを作りたい」と述べた。
多摩大学経営情報学部の中村その子教授は、担当するゼミナールで「学生の社会参加の場づくり」の一環として、企業のラジオCMやPR用DVDの制作に学生が参加・協力した事例を報告した。また、福祉ボランティアにおいてもポスター、フライヤー制作による広報宣伝活動で協力。PR活動における企業、ボランティアセンターとの連携を通じて、「Win-Win」のコラボを目指している。参加の場を学生に提供することで、企業の側から見るとある意味「無料コマーシャル」が新たなモデルの端緒になれば、と考えているという。
医療法人社団珠光会(しゅこうかい)が運営する介護老人保健施設「聖の郷」では、地域ボランティアや園児・学生との交流を深めている。社員ボランティア受け入れの際は、しおりを使用してオリエンテーションも実施。事業者らに期待することとして、「どんな些細なことでもいいので、協力してほしい」と参加を呼びかけた。
東京海上日動システムズが提供した非常食の販売コーナーで品選びをする参加者たち。1食につき50円以上の寄付を募り、集まった1万5500円は全額、石巻市牡鹿半島の小網倉区に寄付されるという。(川崎正樹撮影)
多摩社協の多摩ボランティア・市民活動支援センターは、「たまボランティアギフト」という制度についても説明。参加や受入れに関する情報提供を行うほか、事業者から社員の活動時間数に応じて1時間あたり1000円を目安に多摩社協に寄付してもらう「マッチングギフト」の仕組みもあるという。この制度についての詳しい情報は、同センターの公式サイト内(http://www.tamavc.jp/vgift/index.html)に掲載されている。
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