4月の多摩市長選(4日告示、11日投開票)に立候補している元日本新聞協会事務局次長の阿部裕行(ひろゆき)氏が3月18日夜、パルテノン多摩大ホールで「ポジティブ多摩!〜ひとりひとりが主権者のまちへ〜」と銘打った集会を開催した。同氏は2002年に鈴木邦彦市長(当時)の収賄容疑による逮捕・辞職を受けた出直し選挙に初出馬して、渡辺幸子氏(現職・2期目)に敗れており、今回2度目の挑戦となる。
決意表明演説では、同氏の前回の戦いぶりを収めた『多摩市は蘇るか-ドキュメント・市長汚職と出直し選挙-』(市役所改革・市民の会編)を掲げながら、市政改革による再生の必要性を訴えるとともにクリーンな政治姿勢をアピール。
また、多様な年代・性別・所属のゲストたちとの対話で、幅広い層の意見を聞き市民主権を実現する意志を示した。
進行の全体を通じ、登壇者たちの発言はプロジェクターによる文字表示(多摩市要約筆記サークルが協力)と手話通訳でも提供され、障がい者や難聴者への配慮がみられた。一方で、ゲストによる音楽演奏やビデオ作品の上映など演目を盛り込み過ぎたためか、阿部氏本人が登壇して直接語る時間が少なく、立候補者の生の声をじっくりと明確に伝えるという点では課題が残った。
今回の市長選には、人材コンサルティング会社社長の遠藤千尋(ちひろ)氏、行政書士の杉浦茂夫氏がすでに立候補しており、19日には元市職員で社会福祉法人理事長の小谷田進氏も出馬を表明している。