東京ヴェルディは味の素スタジアムで11月15日、今季最後のホームゲームでJ2残留をかけてザスパクサツ群馬との対戦(第41節)に臨んだ。20位の東京Vはリーグを2節残して、降格圏内の21位・讃岐と勝ち点の差は「5」。有利な状況であることに間違いはないが、ともに苦しんだサポーターたちが見守る前で何としても残留を決定づけたい試合だった。
アディショナルタイムに入った前半47分、FWロビーニョ選手によるカウンターからの独走で痛恨の先制点を許し、非常に嫌なムードのままハーフタイムを迎える。後半に入り南・菅嶋選手と2名のFWを途中投入、がむしゃらに攻め続けるも同点に追いつけないヴェルディだったが、後半37分にようやく待望の瞬間が訪れる。怪我により長期離脱していた福井諒司選手(DF、背番号6)がこぼれ球を見事にゴール。初出場、初スタメンでの同点弾が大仕事となり、チームの下位カテゴリ降格への危機から救った。
シーズンホーム最終戦セレモニーでは、東京ヴェルディのホームタウン・多摩市出身の田村直也主将が選手を代表して挨拶。クラブを支えたすべての人々へ向け、「苦しい経験を無駄にしないように今後も努力して、もう一度前を向いて立ちあがっていきたい」との決意を表した。
また、試合後の監督記者会見には試合運営をサポートするボランティアスタッフも見学者として参加。会見終了後、冨樫剛一監督が「皆さんの思いによって、残留を決めることが出来た」と、直にねぎらいの言葉をかける一幕もあった。セレモニーでの田村選手の「ボランティアの皆様、試合を見ずに支えていただき有り難うございました」という言葉とあわせ、参加したスタッフは貴重な体験によって、さらに”ヴェルディ愛”を深めたことだろう。
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